Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

10年前の曖昧な記憶と好きな作家の話。

今週のお題「名作」 大学生の頃、村上春樹の小説が好きで、大学の図書館に並んでいるものは全て読んだ。 そう思っていた。今、『スプートニクの恋人』を読んでいるが、全く読んだ憶えがない。 ミュウやすみれの人格は、一度読んだら忘れないはずだと思うから…

夜の朝食

モロッコに来て一年が過ぎた。と言っても、モロッコについて深く観察しているわけでも、歴史や宗教観について勉強しているわけでもないから、見たことや聞いたことをそのまま文章にするくらいしかできない。最近は長い間、ブログを公開せずにいたけれど、こ…

想像力の広げ心地

今週のお題「最近読んでるもの」 『オールドテロリスト』村上龍朝晩によく雨が降る。時折冷たい風が吹く。 日は短くなり、退勤時間の空が深みのある蒼に染まる。 名前も知らない木に、薄ピンクの花が、ぽつぽつと咲いている。桜とは違う、異国の花だ。 紅葉…

土のついたサツマイモ

今週のお題「芋」 「モロッコに来て不自由することってありますか?」と知り合いの日本人に尋ねてみたことがある。 10年近くモロッコの旦那さんと、3人のお子さんと暮らすお母さんだ。彼女は2秒ほど考えて、さらりと答えた。 「ラップが剥がれないことぐ…

「力なき正義」の話。

特別お題「わたしがブログを書く理由」みんなちょっとの勇気を出してみたり、ちょっとの弱音を吐いてみたりしながら生きてる。 みんな違うから、みんないい。たくさんの情報に混乱する時代、いろんなものが受け止めきれない。私もそう。 でも、心が育ちにく…

いのちの時間

「1日は24時間です。」そう習うが、本当に、陽が昇ってから沈むまでの時間は、均等で毎日同じなのだろうか。ブーケンビリアが白い壁伝いに咲き乱れ、潮風が吹くラバトの街。 ヒジャブを纏う女性たち。 日向ぼっこをする猫や、隅に座り込んで物乞いをする老人…

天と、地球と、人々。

モロッコに来て、少しずつ友達が増えてきた。華金にお呼ばれした家は、オリエンタルな柄模様のソファが壁沿いに置いていて、広々としたリビングに油絵の抽象画があちこちに飾ってある。 前菜に焼き菓子とミントティー、そしてタジン鍋2つ分のご馳走をいただ…

パレード(マラケシュ旅行記)

モロッコにある盆地、マラケシュという街は商業都市であり、観光地として有名である。大学時代に歩き回ったあの街で、言葉の壁に葛藤の感情を抱きながら、フレンドリーな態度で近づいてくる商人たちの客引きを体験した。カラフルで混沌としている、パワー溢…

【つぶやき】「普通」が蔓延る世界を引き剥がした話。

今週のお題「盛り」久方ぶりの社会人は、しんどい。 だから、「盛り」すぎて社会人としてのちょっとしたつぶやきが、スケールが変わってベクトルの向きがバグった感じのブログを公表する。*ものさし、という言葉がある。 人の頭の中にある、色んなものをは…

空腹、夕闇、甘味。

ラマダン月は、陽が昇っている間人々は一才水を飲まず、食べ物を口に入れない。 ムスリム(イスラム教信者)にとって、一日5回の祈りと日中の断食は、信仰を深める大切な儀式だそう。とあるイベントで初めて、「フトゥール」と称される、陽が沈んだ後の1日…

猫と、アートと、太陽光。

ラバトに来て1ヶ月が過ぎた。肌寒かった気候が日に日に暖かくなり、日中は太陽が熱いと感じるほどに。 日差しの強さが、アフリカ。*ラバトの街を歩いていると、突如現れる壁画たちに惹かれる。 観光スポットとかではない、普通の道で突然目に飛び込んでくる…

パンと水の話

いのちのみずモロッコは滅多に雨が降らないらしい。確かに、カラッと晴れる日が多くて、太陽光は日本よりも眩しい印象だ。 2月にラバトに着いた時には朝晩は白い息が出るほど冷える割に、昼間は太陽がギラギラと照り付け、海からの風が冷たく気持ちが良かっ…

スマヒリヤ、モロッコ。

お久しぶりです。突然ですが、コスタリカから帰国したのち、再びモロッコに来ました。「え、モロッコってあの、サッカー4位やったところ?」 と思った皆様、その通りでございます。すごいですよね。 今年は女子サッカーに期待ですね!日本から直通便ないし、…

駄菓子屋讃歌

駄菓子屋は子どもの夢だと思う。銅のコインを渡すだけで甘いお菓子をくれる「じーじ」や「ばーば」が好きだった。 校区街より外の駄菓子屋に行ってちょっと背徳感を味わいながらも、近所には売ってないお菓子を買うのが好きだった。脳裏の記憶はモノクロで淡…

ムンバイ旅行記

インドを訪れるのは初めてだった。 なんとなく、カレーと人混みと牛、というイメージだったのだけど・・・まあ、言ってしまえば全くそのとおりだった。でもそれ以上に、やはり現地で感じるエネルギーや雰囲気というのは、いかなきゃわからない。 そんなわけ…

耐久レース

できれば人生の中で、不快な感情は抱きたくないものだ。けれどやはりそれは避けられず、面と向かって乗り越えなければいけなかったり、しばらく落ち込んで動けないのを時間に任せて少しずつ前を向いていったり、コツコツと足に豆を作ってでも険しい山を登っ…

ないものねだり

すっかり一ヶ月ものを書かずに過ごした。 抜け殻のような7月だった。卒業式が終わり、ペルーの大冒険が終わり、続々と友達がコスタリカを去っていく。 オンラインでフィリピンの授業を受けて課題に追われながらも、寂しいだの帰りたいだのという気持ちでい…

ペルー旅行記

それはもう突き抜けるほどの青空。その青空を覆い隠すほど高い、ゴツゴツとした岩山が広がる。 標高4800mあたりを走るバスの中で、延々と続くその壮大すぎる光景と、身体中の筋肉がぴんと伸ばされるような寒さに、ただ言葉を失った。*高校生の時だったか、…

卒業

混ざり合う鳥の声、風の音、紫色の花、ハチドリ、青空、雲、雨と霧、燃えるような夕日。コスタリカの小さな街にある、山上のキャンパスで、未熟ながらも思考しつづけ、発見し、学び、出逢い、別れた。 涙し、笑い、時に怒り、苦しむこともあった。全ての感情…

アートがあるし。

人生の多くの出来事は、ロマンもクソもないありきたりな繰り返しなのかもしれない。そういう、同じような日常に異なった景色を見出すことは、 アートが得意とすることなのかもしれないと思って絵を描いた。それはもう欲の溢れた絵。旅に出たい、世界で美しい…

距離が狂わせたものと、与えてくれたもの。

「久々に笑顔を見た。」彼はそう言って、パソコン越しに少し嬉しそうだった。 なんだかやっと、長い長いすれ違いを終えて、心を通わせることができたなあと思う瞬間だった。youtu.be歪んだコミュニケーション年末に突然決まったヨーロッパ旅行からはや数ヶ月…

この日常が当たり前なわけがない。

もしも英語が使えたら、 きっと大人になった私はキャリアウーマンになって、 世界中の人と友達になって、 地球を飛び回りながら楽しく仕事をしていた。 大学時代までの私はそんな夢を見ていた。 ーーそして今の私も、そんな未来の私を想い描いている。#もし…

BLUR (グアテマラ旅行記)

Guatemala City-> Atitlan (Panajachel) Atitlan 3 Maya Villeges Atitlan -> Antigua Hobbitenango& Antigua BLUR Guatemala City-> Atitlan (Panajachel) 当時受講していた授業の最終日、終わった瞬間に家を出て、車に乗って、夕方に空港に着いて、その日…

やさしいオレンジ

流れる時間が、かつて大事にしていた気持ちや日々を過去にしていく。色褪せて乾いて、忘れそうになる。自分は一体なぜここへきたのかを。不確かな明日や一ヶ月後や一年後を見て、「不安だ」と嘆く。そして毎日、今日だけを見つめて、すべきことをこなしてい…

国連平和大学の授業の話2(環境と開発学部:第一学期)

国連平和大学の授業(環境学部)大学院のセメスターはこんな感じなので、今は第二学期真っ最中。 今回は主に第一学期の授業について紹介いたします。9月〜12月: 第一学期←ココ (年末年始休暇) 1月〜 4月: 第二学期 (4月上旬:イースター休暇) 4月〜 6月…

国連平和大学の授業の話1(学部と全員必須科目)

つぶやいてばかりのブログなので、久方ぶりに学校のことを書いてみようと思います。旅行のこと、生活のことを綴っていたせいで、「コスタリカで何してるのこの人?」という印象が強いかと思います。 れっきとした大学院生です。ちゃんと勉強もしてます。ただ…

コスタリカで林間合宿した話。

中学・高校時代に「旅行」や「合宿」というと、無条件に心が踊ったものである。クラスメイトと、普段一緒に過ごさないような場所と時間を共にする。荷造りをして、しおりを読んで、ちょっとしたお菓子やカードゲームを用意して、前日は眠れなくなる。そんな…

呼吸して春。

綺麗が溢れている。授業で訪れた牧場や農家は、火山の麓や山奥にあって、街を見渡せる高台や、息を呑むように静かな水源を見た。 無数の牛が放牧された草原で、真面目に先生の話を聞いているふりをしながら、その美しい風景に心を奪われていた。いつか行った…

グアナカステの木の下で

HOME淹れたての珈琲を手に、バルコニーに出る。 ハチドリの声と、リスが木の上を滑るように走る音。 バイクが坂を登るエンジン音に混ざって、大家さんファミリーの笑い声も響く。 お隣さんが、私にスペイン語で話しかける。聞き慣れない音だけど、少しずつ意…

A HOME IS A PERSON

とある友人は電話で、Where is your home? と尋ねた。 自分の「家」のことかと思って、Osakaだと言った。でも、その人は続けた。 Home is not a house. Some say home is feeling, and I say a home is a person. Homeは家とは違うよ。とある人はHomeを感情…