Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

ムンバイ旅行記

インドを訪れるのは初めてだった。
なんとなく、カレーと人混みと牛、というイメージだったのだけど・・・まあ、言ってしまえば全くそのとおりだった。

でもそれ以上に、やはり現地で感じるエネルギーや雰囲気というのは、いかなきゃわからない。
そんなわけでムンバイに二週間ほど滞在して歩き回って感じたことを書いてみたいと思う。


全部ごちゃ混ぜ

ムンバイはインドの経済都市で、デリーなどとは違って(行った事ないから間違っているかもしれないけど)ヒンドゥー教徒のみならず、イスラム教徒もたくさん暮らしている。
私が宿泊したのが、イスラム教徒が住む界隈で、モスクや小さな商店が立ち並んでいる、非常にゴミゴミした場所だった。一歩外に出れば、忙しそうに人々が行き来している。雨も降っていないのに毎日濡れて濁った水溜りがたくさんある道を気をつけて歩きながら、むやみに突っ切ろうとするバイクたちを避ける必要があったので、少し歩くだけで疲れた。

そんな喧騒の中に埋もれながら、「これが活気ってやつなのか」と、想ったりした。

電車の機能がしっかりしていて感動したのだけど、プラットホームに電車がやってきて愕然。
「ドアがない。」

到着直前で減速する電車から、多くの人が降車のタイミングを見計らって身体を半分乗り出している。危なすぎる。
そして停止してもいないのにジャンプ!マジかよ。絶対ラッシュ時間に乗りたくないやつ。

何を運んでいるのか巨大な台車と牛と歩行者とバイクと車が右往左往行き来しているムンバイ・セントラル。
高層ビル街のすぐ隣に広がるドブ川とスラム街。
髪をオレンジに染めた老人が、道脇に座り込んで眩しいオレンジと黄色のマリーゴールドを糸に紡いでいる。

ガソリンや雨風に触れたであろう屋台の食べ物たちはそれでもなお美味しそうで、ガラムマサラなどのいい匂いをあちこちで漂わせている。
残飯や肉魚の内臓はそこらへんに捨てられ、鳥や犬や猫やネズミや虫がそれを食べている。鼻をつくとても嫌な匂いと目を逸らしたくなる光景が、高層ビルの高級ホテルやレストランのすぐそこに存在していた。

そういう綺麗と汚いが出鱈目に隣り合わせになっている混沌が、なんだか生命力に溢れていて、
ただその雰囲気に任せて街に溶け込むことが、心地いいと思った。

全部カレーで全部美味

蒸し蒸しと暑く、豪雨で足場が悪くなったり、ガソリンと埃と汗と日焼けで肌がボロボロになったりしながらもインドを楽しめたのは、やはりご当地ご飯が美味だったからだと思う。

インドといえばカレーなのは知っていたけど、思った以上に全部カレーだった。
カレースパイスの匂いが街中に漂っており、揚げ物とかサンドイッチとか一見カレーじゃないものもカレーの味がする。

ナンと食べるのが普通だと思っていたけど、チャパティというトルティーヤみたいな円形のパンとか、ドーサというカリカリに揚げられたパン?とか、プリという中が空洞の円形揚げパンなどいろいろ種類があった。
カレーも種類が無限にあるので、スパイス系カレーが好きで毎日たべれるという人なら、インドめっちゃ楽しいと思う。

Puri (パンの中は空洞)
Dosa 揚げたクレープ生地みたいな。中にカレー風味のじゃがいも入ってる。
ムンバイ名物ストリートフードVada Pav
ビリヤニ(カレーピラフみたいなん)
Momoという名の料理。蒸し餃子。ちょっと辛いキノコとかチーズが詰まってた
ターリーは本当に最高でした。ユニークな食べ方をするので、別の記事書きます。

他にもいろいろあってここには載せきれない。
行ったレストランで外国人はほとんど見かけない現地人が通うお店。
値段も一食1〜3ドル程度でめっちゃお腹いっぱいなったのでお財布にもありがたかった。

旅行中にお腹を下さないコツは、
・食べる前に手を洗う&アルコール消毒
・ストリートフードは避ける
・事前にgoogle mapでレビューを調べる
・水を買ったらキャップがちゃんと閉まっている新品か確認する
・辛いカレーを食べすぎない・・・ということかな。二週間全くお腹壊さず過ごせました!

あと、辛いものにはラッシーが相性抜群!
口の中がヒーヒーの時に飲んだら一瞬で辛味がおさまる。

ほぼ毎日行った店がこちら。すごいごちゃついた場所にあるけど、清潔で、メニュー数多くて、いつもたくさんの人で賑わっている人気店。ムンバイで一番何が良かったって言ったら多分この店かな!
goo.gl

全部アート

まだまだ貧困の差が激しく、都市化するムンバイにはスラムが溢れ、そこら中にゴミが散らばっている。
それでも、歩んできた長い歴史と、豊かな食文化と、鮮やかな宗教の伝統と、美しい民族衣装によって、その街は魅力的に光っていた。

ビクトリア駅(現在名 チャトラパティ・シヴァージー駅)やゲートウェイオブムンバイなどは、歴史ある西洋式の建築で、世界遺産に登録されていたりする。

ビクトリア駅
ゲートウェイ

また、なんとガンジーが生まれそして亡くなったのもこのムンバイで、ガンジーがかつて暮らしていた家(現在は博物館になっている)を訪れることもできた。

美術館が多く、宗教画にはヒンドゥ教の多神が描かれていて、とても独創的だった。
道を歩く女性たちは美しい布で作られたサリーを纏っている。雨の日も風の日も、埃っぽいまちで華やかに輝いて見えるカラフルな服装も、この町の魅力の一つだと思う。

大学生の時にも海外旅行を何度かしたけれど、今回の旅はなんだかすごく「行ってきた」という感じがする。
観光客なのに変わりないのだけど、現地の風景や雰囲気を強く感じ、その余韻が今も肌に残っている。
昔より「その場所のありのまま」を切り取ることができたような気がした。気のせいかな。

でも、ムンバイのどこまでも生活感の漂う街中で、ハッとするような美しい建築物や芸術に触れたことや、
人間が「生きている」ことを強く感じさせる街の喧騒のなかで、驚くほど落ち着いたという経験は、これまでになかった。

そういう感覚が病みつきになって、旅ってやめられないんだ。