Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

耐久レース

できれば人生の中で、不快な感情は抱きたくないものだ。

けれどやはりそれは避けられず、面と向かって乗り越えなければいけなかったり、しばらく落ち込んで動けないのを時間に任せて少しずつ前を向いていったり、コツコツと足に豆を作ってでも険しい山を登っていかなければいけなかったりする。先輩たちがいうには「それが人生」だからなんだそうだ。

よくカメルーンで働いていた同じ職場の先生たちが(みんなとーちゃんぐらいの年齢かな)、C'EST LA VIE, MA SOEUR (それが人生だぜ、小娘よ。)と言い放ってきたことを覚えている。悔しい時、辛い時、悲しい時、なぜこうも彼らは大らかなのかと驚き、嫉妬した。世界に愛されていて、世界に馴染んでいて、生も死も怖くないような全部知ったような顔をしている彼らがなんだか羨ましくなったのかもしれない。


遠距離が辛いだとか、勉強が難しいだとか、日本(食)が恋しいだとか、そういう悩みはこれまで特に問題にはならなかった。
なぜなら自ら選び取り、自らが目的を持ってその道に進んだからだ。後悔もなかった。

世界のどうしようもない理不尽について意見するのとか、苦手な論理的文章を書くのとかを繰り返して、そういうしんどいことには慣れてきたつもりだったのだけど、やっぱりどうしてもこの世界において無条件に嫌いなことが二つある。

テストと、数学。

テスト、というのは義務教育で受けさせられようなあの暗記タイプの点数をつけられて順位まで出されるあのテストである。
競争とかあからさまに人と比べることが嫌いで、そもそも高校の勉強が本当に苦手で、テスト期間は吐く思いで徹夜をした。でも点数は平均以下なのである。今思えば間違ったところをなぜ間違えたのかとかもっと勉強すべきだったと思うけど、そういう気にも慣れないくらい嫌いだった。思い出しただけでもゾッとする。

数学は、あの義務教育の数学。
私が本当に数学のセンスがなかったのかは、今となってはわからない。なぜなら「数学のセンスないね」と言ってきたのは先生だったから。
先生に言われたらそりゃピュアで世間知らずな高校生は「あ、数学のセンスないんだ」って思っちゃいます。授業寝ちゃいます。テスト勉強やる気出ません。そこから滑り落ちるように数学の成績は落ち、テキストはゴミとなり、理系に進むという選択肢は摘み取られ、なんとなく文系に進んだゆとり世代のゆとり人間なのであります。


今思えば、
おそらく私が数学が嫌いなのは、「数学」そのものが嫌いなのではなく(そもそも数学を理解できぬまま高校卒業した)、数学に関わる過去(先生に言われたことや勉強しても伸びなかった成績)が嫌いなんだと思うな。あれから自分のことさらに自分で卑下して過小評価してマイナス思考に陥ったしね。文系だって大事なんだよ。先生にダメと言われたって、それは何の根拠もない。何も見ちゃいない。今ではそう言えるのにな。


そんな苦手なお二方に、社会に出てからもう出会うことはないだろうと思っていたのだが、
アテネオ大学にて両方とも出会いました。本当に逃げ出したい気分。

テストはまさに今直面している。このプログラムを卒業できるか否かがかかっている重要なテスト。
本当は昨日全部終わってたはずなのに、ずるずるずるずると延期され、未だはっきりした日程が決まっていないという先代未聞のテスト期間。準備始めてはや二週間ですぞ。

大体テスト期間て決まっているでしょ?それに向かって学生は「終わりを期待して」頑張るわけなのに終わりがないテスト勉強なんて拷問でしかないの。ほんと時間が永遠に感じるし、気持ちよく他のことができない。

数学はアテネオ大学の入学登録後に受けさせられた試験に出てきました。基礎知識を測るための試験だったので合否はなかったんですが、辛い試験でした。
「因数分解しなさい。」という問題を久しぶりに(英文で)見て、複雑な気持ちに。懐かしいけど、苦い思い出が蘇る・・・。
そしてやり方なんてすっかり忘れてほとんど解けず。(因数分解以外の問題は図形で、何を問うているかさえもよくわからぬままスルー)
試験の後は、エッセー3000字書いたあと以上の頭痛で、確かめっちゃ寝た。

数学はともかく、現在進行形の死のテスト期間は精神を強くするための訓練なのかな?と思うほど毎日辛い。

友達とちょっとご飯行ったり、ちょっと違うことしてても脳裏に「テスト」。ああ、テスト、どこまで行ってもテスト!!!!
しっかり準備してやることはやった!と言いたいけど、時間があるとやっぱり心配になっちゃって、家に篭る時間が増える。

この耐久レースがコスタリカで一番精神的にきてるかもしれない。
そんなわけで、それを文字に起こして何になるんかわからんけども、

カメルーンのおっちゃんたちがC'EST LA VIE, MA SOEUR (それが人生だぜ、小娘よ。)と言ってくると思うので、
精神統一でもして悟り開こうと思います。

ほんと、テスト早よ終わって!