すっかり桜は散り、新緑が芽吹く季節。
温かい空気が、すでに夏を感じさせる4月。
新生活を始めるにはもってこいのシーズン。
ショッピングモールに並ぶ素敵なグッズの数々。
できるならば、食器も家具も服も新しく新調したい・・・
そんな欲求がかき立てられる毎日だけど、
私が大切に使っている「新生活が捗る逸品」は、
どこの店舗にも並んでおらず、どこの通販にも売っていない代物。
※強いて言えばコーナンに売っている
新生活
私はシェアハウスに住んでいるのだけど、ちょうど引っ越した時、一番最初に必要だなと思ったものがあった。
それは「デスク」だ。
コロナ禍で在宅勤務が主流となり、家で作業することが増えたし、
実家にいた時からデスクを使う時間がダントツに長かった。
ニトリでお値段以上のデスクを探すか、イケアで北欧チックないい感じのデスクを物色するか、と考えていた矢先にシェアメイトの一言。
「机作ったら?」
おお、なるほど、作る。・・・え、どうやって?
という間抜けたりアクションをした私に、彼女は丁寧な設計図を書いてくれたのだった。
なぜ、こうも正確に立体図が描けるのかと感動した。だって、私は、二次元しか描けない。
そして次に、なぜ、こうも正確に「存在しない」ものをイメージしてサイズ感やビスの長さや打ち方までイメージできるのだろうかと驚愕した。
だって、私は存在しないものをうまく想像して物を作れない。小学生の時の紙粘土も彫刻も版画も大の苦手だった。つまりはただの不器用。
デスク、誕生
インパクト、という器具をご存知だろうか。簡単にいうと電動のドライバーである。
木材にビス(ねじ)を打ったりするときに使うあれを、彼女が部屋から取り出した時にまたびっくりしたのだけど(工事現場にしかない物だと思っていた)、さあコーナンに行こうか、と設計図を持ってそそくさと出かける姉さんにくっついて訳もわからず飛び出したのだった。
コーナンにこんなに木材が売っていて、しかもサイズを伝えると切ってくれるところがあるなんて知らなかった。
巷で流行っているDIYの材料は、こういうところで買うのか、と知ったのもちょうどこの日。なんと私は無知だったことやら。
目当ての木をいくつか探し出し、大きな台車に載せる。
設計図をお店の方に渡して、購入した木材を大きな電動スノコで切ってもらう。ただそれだけで、ワクワクした。
手際良く軽トラをレンタルし運転してくれた姉さんと一緒に、木材を家に運び込み、早速組み立て開始。
私が恐れ慄いて使うのを渋っていたインパクトは、それほど凶器ではなかった。(笑)
うまく使えは、時短になるし力もいらないので超便利だったので、
自前のインパクトをいつか買いたいと思うくらいだった。
すべてを支えてくれる
そうして手際の良いシェアメイトの姉さんに教わりながら、30〜40分程度で完成したのは、本当に素敵な、木造の机なのだった。
丈夫で、優しい色合いで、ランダムな木目がこれまた良い。
これまでも、これからも、仕事も趣味も全てを支えてくれるであろう。
また、インパクトを使い慣れた私は、机の足にビスをつけて引っ掛けるところを作ったり、
趣味のギター用ハンガーを壁に取り付けたり、DIY感溢れる部屋になった。
この経験のおかげで、カラーボックスやベッド枠を買った時の組み立ても難なくできるようになった
(家具の作りの仕組みが少しわかって、慣れた)ので、少し手間でも組み立て式のものを買うことに抵抗がなくなった。
「つくる」愛着、「つかう」愛着
少し前まで、オンラインでも街でもショッピングをするときに「安いもの」を探して購入していた節があったけど、
本当に気に入ったもので、永く使えて、使えばつかうほど味が出てくるものを高値で買うほうが、コスパはいいのかもしれないなと思うようになった。
デスクを作ってみて、一つ一つの物が作られるストーリーを、
消費者である私はこれまで無視している節があったとも感じた。
それは物だけじゃなくて、服(それぞれのブランドの個性やコンセプト、つくる側の想い)や食べ物(街で売られているお野菜やお肉の原産地やお店側の気持ち)にも宿っているから、買い物をするときに本当に必要なものを選ぶように心がけるようになった。
食べ物について詳しく思ったことを書いた記事はこちら
pyomn310.hatenablog.com
そうすると自然に、心が軽くなって、「買いだめしなくちゃ」みたいな不安な気持ちも無くなって、
家をきれいに保つことや、料理を丁寧にすることがすごく楽しくなった。
本当に、この手作り「デスク」が、色んなことを気づかせてくれたし、色んな物を支えてくれている。
ありがとう!これからも大切にしよう!