Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

フランス語の話

ロマンチック・パリ


おふらんすは、それはもう、「お」をつけたくなるほど、長年憧れていた国でした。

パリなんてもう「お」ぱりです。上品でね、ファッション最先端でね。
映画でもよく、パリは華やかな舞台として描かれるでしょ。だからその影響をもろに受けて、パリって夢の国なんや〜と思ってたんです。

フランスパンを抱えて、シックな街並みを歩く細身で長身の女性とか、
セーヌ川沿いの古本屋台とか、向こうの方に見えるエッフェル塔とか、
ふわふわ耳元がくすぐったいような言葉で、カップルが囁き合っている浮かれた雰囲気とか。

実際パリに飛行機乗り換えのため訪れた時、
(皆さんは上記の想像はただの空想でした!という答えを期待すると思うけどさ、)
割と想像通り、本当にエレガントで美しい街でした。

そりゃ、生活している人からしたら、汚い部分とかも見るだろうけど、

何が素敵かって、基本街に並ぶ建物が、日本とは全く違ってシックなんです。

ヨーロピアンというとすごくベタに聞こえるけど、他に言葉が浮かばないのでとりあえずヨーロピアンという言葉を使おう。

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【言語印象】エレガント・フランセ?


大学時代までは、フランス語というものを全く知らず、「ああ〜なんかオシャレだよなあ」なんて、
見て見ぬふりをしておりました。「上品で発音が訳わからん」その言語を、私は学ぶ資格もないと勝手に自己否定しちゃってた。
うん、ただの悲観主義。

おふらんすに憧れていたって、フランスの友達いなかったし、旅行に行こうとも思えなかった。
言葉が通じない国への旅行を過剰に怖がってたよな。もっと冒険していればよかったものを。

・・とは言いながらもアラビア語とフランス語が公用語であるモロッコには行ったんだよな。
英語全然通じなかったのに、割と楽しめたんだよな?
あの衝動はなんだったのか。答えはこちらへ。

pyomn310.hatenablog.com


フランス語の勉強を始めてはや5年が経とうとしているけど、まさか自分のパートナーがフランス語話者になるなんて、誰が想像したか。

今では毎日のようにフランス語を話すわけですが、
おふらんすや、おぱりへの憧れはどこへやら。

お上品で発音が訳わからん「魅力的な言語」なはずが、「自分日本人顔やのに、しゃべりかた仏語圏アフリカ人やん?笑」ってフランス人に笑われるほど過度に「上達」した私のカメルーンフランス語。
その仏語スキルは一人歩きをして、私らしい非エレガントな非ヨーロピアンなキャラクターを作り上げたのでした。めでたしめでたし。

・・・まあ、そう皮肉ってみるものの、私は現状に満足しているのでいいのです。
過去に憧れた言語の美しさとかは、勉強しているときに確かに発見したし、イントネーションが違えどしっかり世界に通じるフランス語を話せていることはやっぱり嬉しい。

そして、憧れとか印象も大切ではあるけど、結構実際の姿とかとギャップがあったりするから、その違いを楽しむのも悪くないなあと思った。

【習得方法】うがい音「R

フランス語の何が難しいって、やっぱり発音ですかね。

動詞の活用とか文法とか語彙は、スペイン語やイタリア語に近いから難易度もアラビア語とかヘブライ語から考えればマシだけど、ダントツに日本人からしたら聞いたことない発音が多い!特に有名な「R」の発音とかね。

どうやって発音するか?はい、うがいの音です!ゴロゴロって喉鳴らしてみて?
それです。それが「R」の音。

ボンジュールの「ル」を一瞬うがい音出す感じにしたら、一気にネイティブに近づけるから試してみて!

協力隊でカメルーンに派遣される前の語学訓練で、先生から私が言った「ボンジュール」を全否定されたことがある。
ショックやったなあ笑

BONJOURが「VONGIUL」に聞こえると言われたのだ。原型もクソもないやないか。

(ピアノで)右手早引きしながら左手を一定のリズムでベース音弾き続けるぐらい難しいし、
(車の教習で)ブレーキ踏みながらクラッチ全踏みしてギア変えるぐらい難しいねん。

変な例えですけど、まあとにかく同時にいろいろ考えるのって大変だな。

この辺は地道に先生とかウェブ上のニュースとか聞きまくって赤ちゃんみたいに真似するしかない。。

【テスト勉強】DELFを受けてみた

フランス語の資格試験であるDELFは、おふらんすが直々にやっている仏語力を証明するための試験。
日本のフランス語検定は日本でしか通用しないので、日仏の翻訳とか目指している人には適していると思うけど、基本グローバルにフランス語使っていきたいという人は、断然DELFを受けるのがおすすめ。

試験に関する詳細説明は以下より

fra-ryugaku.com


DELFは
①リスニング
②リーディング
③ライティング
④スピーキング

に分かれていて、四技能の点数を平均して総合スコアを出します。


これをコンプリートするには、
雑念から解放された完全無欠の集中力(👂)
長文を見ても睡魔を感じない巧みなる忍耐力(📚)
フォーマットをひたすら暗記した上で、論理的な文章を書く力(✏️)
言い回しのレパートリーをふんだんに使いこなす力(👄)

が、必要になるのです。仏語の勉強というより、頭の体操して鍛えることが重要なのかな・・・。

私はDELF B2というレベルの試験をカメルーンで受けたのだけど、
2回落ちました・・・。3度目でやっと合格。リスニングが異常に難しく感じた。

普通のフランス人ってそんな早口なんですか?!って思う会話の速さ・・・。
英語の試験と違って、アフリカ系、カナダ、スイスやベルギーなどのフランス語も織り交ぜてくるので、様々なアクセントに慣れることが必要になる。

この試験対策は当時めっちゃがんばった。
普段生活している会話だけでは試験対策とは言えないということを実感した。

試験対策だけでなく会話力をキープしたい、または仏語を一から始めたいという方にもおすすめなのがオンライン仏語会話!
ネイティブは価格が高いけど、発音も綺麗でしっかり教えてくれる先生をアフリカ出身の方の中から探すと結構安価。

preply.com

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おすすめ!!


英語の勉強法はこちらに〜
pyomn310.hatenablog.com

【思考回路】フランス語を学んで良かったこと

最初は憧れだったフランス語。映画とか歌でなんとなく耳障りのいい発音が、素敵だなあと思っていた。
それを自由に話すことができて、ニュースが理解できて、普通に汚い言葉とかありまくるのも知って、憧れで終わらなかったことが良かったと思ってる。

・フランス語の思考は日本語の思考と違う

英語もそうなんだけど、フランス語も結構論理的な言葉。
日本語では(というか日本人の多くは)、段階を経た話し方をあんまりしないし、むしろ「察して」文化やし、「言わない」ことが奥ゆかしさやし、「間を読む」のが常識なせいで、(よっぽど意識してないと)はっきり思考を言葉にする機会が圧倒的に少ないと思うねん。あくまで自分の意見だけども。

文化や教育が影響しているとも思うけど、カメルーンでは自分の考えや想いを言わなければ、100%伝わらない。
察したり、間を読んだりする感覚は伝わらない。このカルチャーショックは、最初想像を絶するほど辛かった。

これまでいかに人の察する力に頼ってきたのかよく分かったし、自分を表現する力も全くなかったんだと戦慄したよね。

20代はもう大人です。と言われながら大学を卒業したのに、
22歳にカメルーンで気づいたのは自分を表す言葉を全く持っていなかったということ。

焦燥で潰れそうだったけれど、当時協力隊として活動していた頃に同僚が口下手な私の話を延々と聞いてくれたことが今の私の大きな糧になっている。

・トリリンガル(もどき)になって言語の壁が昔より低く感じる

大学で英語を専攻していたのに、「英語が専攻です」と自信を持って言えなかった大学時代。ネイティブの理解不能な速度の英語についていけず愛想笑いをしていた虚しい毎日。

でも、カメルーンでは愛想笑いでは済まなかった。「わからないんだったら、ちゃんと聞いて?」と粘り強く私の話を聞いてくれて、私が理解できず受け流そうとすることも「許さないでいてくれる」友達や職場の人々がいたおかげで、丁寧に一語一語を学ぶことができた。
ノートと辞書を肌身離さず持って単語をその場で調べながら話すことを許してくれる友人ばかりだったから、会話力はすごい速度で伸びたと思う。

協力隊としてカメルーンに住んで一年半が経つ頃には、フランス語で夢を見るようになった。あれは嬉しかったな。
当時オンライン英会話もしていたので、頭には自然に語学スイッチができて、ENGLISHとFRENCHを自在に使い分けることに慣れ始めた。
今は留学先のコスタリカに向けてスペイン語を勉強しているけど、フランス語とそっくりだし発音も比較的簡単なのでがんばって習得したいなと思っているところ!(授業は英語だけど)


www.duolingo.com
↑言語を一から始めたいけど、まだ会話は怖い・・・という方はこちらのアプリ「DUOLINGO」で基礎つけるのめっちゃおすすめ!いろんな言語あります〜私はスペイン語と中国語をこれでやってます〜


言語は趣味の領域です。と今ならはっきり言えるかも。だから大学時代英語専攻してました、と言うことは昔ほど億劫ではない!

・世界にあふれる矛盾や違いについて、めっちゃ寛容になった

井の中の蛙は井の中でもがくだけ。かつての私はまさにそんな感じで、外の世界が見たい知りたいと思うがあまり本やメディアから取り入れた情報からたくさん想像して知っているフリをしていた節があった。

でも数年間フランス語漬けになって、言語の壁は大学時代の頃ほど険しくなくなったし思考も昔より柔軟になった気がする。

そして「ネイティブ」に拘らなくなった。世界には人の数だけアクセントがあると言っても過言じゃない。
それほど、言語は多様性があるし、それは全くネガティブなことではない!と確信しました。

そしてその多様性は、言語に限らず、人の数だけ溢れていて、
その違いでさえも「面白い!」と思えるようになった。だから今でも世界について知りたい気持ちでいっぱい。

ロマンチストな言い回し

いろいろ書いたけど、フランス語は自分の肌にもあっていた。
直接的な言い回しとか、ちょっとねちっこく思考をもてあそぶあの感覚・・・哲学的と言うべきか。

そしてカメルーン でがっつり学んだアフリカン・フレンチが今や「アイデンティティ」として胸を張ることのできるものになっていることも、本当にラッキーだなと思う。言葉は人間が円滑にコミュニケーション取るための道具に過ぎないかもしれない。言語だけできたって何にもならないかもしれない。

されど、言語。やはり言葉は世界を大きく広げる鍵になる。

これまでたくさん悔しい思いもしてきたし、フランス語も何度妥協しそうになったかわからない。
結局語学を短期間で習得する方法なんてないし、地道に基礎文法を学んだり、単語を暗記したりする期間は避けられない。


それでも、一度習得した感覚を身につければハマるし、
今なんてコロナ禍で海外に行けなくてもオンラインで外国の方とお話ができる時代。

一度、気になるその言語、やってみませんか?

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