Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

【つぶやき】病原菌の話

ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』(2000)という本がある。

人類の文明の発展と侵略が、どのように行われてきたのかを研究している著者が
丁寧に、その謎を紐解いていく本。

ヨーロッパがラテンアメリカの王国を支配できた理由はなんなのか。
農業の発達があった場所となかった場所には一体どのような違いがあるのか・・・。

そう言ったことが延々と書かれている面白い本(だけどちょっと長い)。

ポイントだけを言ってしまうと、
ヨーロッパ人が無意識に持ち込んだ「天然痘」という病原菌は、
植民地化する上で最強の武器になったということ。

当時、侵攻者が殺した数よりも、
圧倒的にこの病原菌によって亡くなった人の数の方が多いんだということ。

2020年、科学が進んで多くの病気はワクチンや薬で治すことが出来る時代。
貧しい国にも、戦争をしている国にも、あの手この手で国際機関がアプローチをかけて
多くの人が長生き出来る時代。

でも、ウイルスはいまだ未知が多い、人間の天敵とも言える存在らしく
予想外のことがいつ起こるかわからない
ということで、すごく騒ぎになっているのかも。

今日はどうしても、このどうしようもないパンデミックについて、
書きたいと思うことがある!すごい面白い記事を見つけたから!


状況は悪化するばかり?

毎日朝起きて、ポッドキャストでニュースを聞いているのだけど、
決まって「まずは、新型コロナウイルスについてです」という一言から始まる。

感染者の人数が、昨日より、先週より、先月より、増えました!大変だ!
飲食店の多くが店舗の縮小を余儀なくされています。給付金が十分じゃない。こんなんじゃやっていけない。

この二週間くらい毎日ほぼ同じ内容が繰り返されている状態。

緊急事態宣言が再び発令された神戸でも、飲食店は閉めざるを得ないみたいで夜は人が少なくなったかもしれない。
でもその反動がお昼に出てるというか、あまり街ゆく人の数は減っているような気がしない。

国の政策もそうだけど、メディアも、なんかもはや同じことをリピートして
「状況は悪化しています」「歯止めがかかりません」みたいなことを言うもんだから、
知らない人ほど恐れるし、不安だし、ネガティブになると思う。

でも、不安を煽って、家に居させて(あくまで「自粛」)、飲食店閉めさせて、
それで根本的な解決になるの?って思うの。

むしろ二次災害・三次災害みたいなのがどんどん増えている
(風評被害、自殺、家庭内暴力etc..)
不安や恐怖とストレスから発生するこの事態の方が、もっと注意すべきなような気がするよ。

今や人気トピック「COVID19」

見つけた記事は、2020年6月のものでちょっと古いんだけど、
「死亡者1人あたりの報道(言及)の数(頻度)」を感染症ごとに出しているのね。


HIVで亡くなる人については今や全く報道されないし、
豚インフルエンザも2009年当時、怖い病気として話題にはなったけど、
めっちゃ人が亡くなったっていう印象は薄い。でも人数見たら28万人以上が亡くなっている。
逆に、MARSは死亡者数が百桁と少ないにかかわらず、人々が話題にすることが多かったので、怖い印象が残っている。

んで、コロナウイルスは1人死亡するにあたり10,789件の言及がなされている。
これは、そのくらい「コロナウイルス」に関するトピックが話題になっている証拠。

↓そのことを書いている表( the media coverage of Covid-19 to past pandemics)

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https://www.normanalex.com/2020/06/08/bringing-factfulness-perspective-to-the-covid-19-coronavirus-crisis/

I believe that we should take stock of how we are feeding off the media and try to stem our overriding fears.
Because the trauma and social scar tissues post-Covid-19/Coronavirus risk being far more damaging.

「我々は、メディアをどのように取り入れるかよく考え、圧倒的な恐怖に立ちむかわなければならないと思う。
なぜなら、ポスト・コロナおよびコロナウイルスのリスクに関わるトラウマや社会的な傷の方がもっと危険性が高いからだ。」

https://www.normanalex.com/2020/06/08/bringing-factfulness-perspective-to-the-covid-19-coronavirus-crisis/より


ウイルスに感染しないように、また感染させないように気をつけることは大切だと思う。
でも、ニュースやSNSから取り入れる情報を鵜呑みにして恐怖することは違う。

ファクトフルネス、してますか?

以前にも紹介したハンス・ロスリング『FACTFULNESS』(2018)では

「人間は物事を良くも悪くも「ドラマティック」に考えすぎるんだ」
「賢い人ほど世界の真実を知らない」と著者は言っている。


一度このクイズをやってみて!世界のエリートでも正答率が非常に低かった世界のことを尋ねるクイズ。
factquiz.chibicode.com


私もこのクイズをやってみて、どれだけ「勘違い」してたかを発見した。

人はなぜか世界を悲観的に見る傾向がある。

メディアが劇的な部分を切り取ったり、寄付を求める団体が
世界の数%にも満たない貧困の世界を見せることも、大いに影響している。

でもただただ恐怖するのではなく、
情報をしっかり厳選して、自分の頭で考えることが大切!

pyomn310.hatenablog.com

感染症は恐怖。
でも、過剰に怖がることによって、社会的に人が生きにくくなってしまっていることの方が
今は問題なんじゃないかなと思う。

いろいろ見たり読んだりしても、結局至る結論は
体調管理です。

手洗いうがいはもちろん、
しっかり食べて、寝て、疲れを感じたら自分を甘やかすのです。
不安や恐怖は免疫を下げちゃう。だから好きなことを見つけて、笑って過ごす。

それがイチバン。

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