GLOOM
五月になった。
桜は散って、緑に溢れる木々。
太陽が昇ると、コートもストールもいらないくらい温かくなった。
クロゼットの衣替えしながら、
あーお洒落してお出かけしたいな〜って心躍る季節。
でも電車に揺られてふらりと旅に出ることも、
東京にいる友達に会いにいくことも、
今はできない。こんな日々が、いつまで続くのかもわからない。
相変わらず私の毎日は、MacBookを通して行われるオンラインコミュニケーションで成り立っている。
おかげで寂しい、と思うことは少ないけれど、
なんだか時々、漠然とした不安のようなものが心をもたげたりする。
不安は人を食べてしまうかもしれない。っていうことを赤十字の動画が簡潔にわかりやすく伝えていた。
そんなことを考えるくらいなら、何か新しいことを勉強したり、
目標を持っていろいろチャレンジしてみたりするのが精神衛生上良いことはわかっているのだけれど。
毎日そういうモチベーションを保つ方法、教えてほし。
MIND ON FIRE
っていう曲が、好きなので歌詞を読んだけど、
いや、なにこれ。何故こんな鳥肌が立つの。声?
Mind on fireってどういう時のことを言うのか誰か教えて?
音楽を聴きながら、ギターを抱えて歌いながら、
ずっと遠くへ出かけられる日を夢見ている。
フランスの首相が「ウイルスと生きていかねばならない」と言ったけれど、
そうなってしまったら、マスクをつけるのが当たり前になるんだろうか。
もしかしたら、『風の谷のナウシカ』で出てくる
毒から身を守る感じのマスクを使う日も本当に来るのかもしれないなあ(誰がわかるのかこの例え)
Hallucination
昨晩、夜の0時くらいにうとうとしてたときに、
アフリカ人の友達から電話がきた。何故着信音が聞こえたのかわからないけど、
半分眠りながら応答した。話の内容が、ほとんど記憶になかった。
翌日、おなじみの英会話の先生にその話をしたら、
This is a hallucination.
って言われた。知らない単語だった。
「幻(幻覚)だったんじゃない?」
といじり半分で言われたことばだったのだが、
ああ、なるほど、幻かあ。そうなのかしら。ってふと思いながら、
これまでのいわゆる「自粛期間」を振り返るきっかけとなった。
そう、この教師困ったもので、
哲学的な質問の次は理解が難儀な単語によるいじりが始まったのである。
最近は、なにが本当のことなのかわからない。
ということが、明らかとなった。
仕事がEメール上で進んでいくことも、画面上でこうして話していることも、
ある日「実は全部嘘でした〜(笑)」みたいに言われそうな気さえすることがある。
郵便物を送るために家からちょっと出たら、たくさんの人が歩いてたり、自転車に乗ったりしてる。
スーパーに押し寄せる人、商店街で買い物をしている人、川辺でそれぞれ好き好きに過ごしている人々、
Amazonで注文したら翌日に届くし、生放送のワイドショーとかは毎日(テレビ電話繋いで)やっている。
これまでと違うのは、みんながマスクをしていたり、店員と客の間にビニールが張ってあることくらいで、
あとは何も変わらない普段の風景。
だから家から出る度に、
あれっ、私なんか間違ってない?置いていかれてない?
そう思うことが多々ある。
でも、やっぱりこれは事実だった。
新型のウイルスが世界を狂わせたんだ。
いろんなことがストップして、たくさんの発想の転換を強いられているんだ。
あまりのスピードであまりに多くの国が、国の数の対応策を設けているから、
みんな混乱する。溢れる情報から理解しようと試みれば見るほど、
なにが本当のことなのかわからない。
「あっちの国はうまいことしてるのに、日本は・・・」
という声が聞こえてくる。隣の芝はいつも青いものだ。
アベのマスクを手にとりながら、フランスのニュースキャスター(France24)が
「この対応策に対して、日本人によってネットが炎上している」ことを伝えるニュースを見たときは
流石に日本人としてちょっと恥ずかしくなったが、
不明確な要素の多い今回の事態の渦中の中、批判に溢れる政策を見ながら言えるのは、
よっぽど人類ってウイルスに弱いんだなあ、という一言に尽きる。
ちょっと前に友達が「人間は忘れやすいからな」と言っていたけど、
本当にそう。ちゃんと事実としてこの事態を受け止めて、
なんか今となっては曖昧な「幻」です・・・みたいにならないようにしたいものですな。
とにかくこの事態の収束を祈るばかりです。