Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

【つぶやき】スピリチュアルはきらいだ。

柔らかい言葉、優しい相槌、ストーリーに耳を傾けてくれるその姿勢に甘えて、ついつい話してしまう不思議。
安心は正義だ。

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世の中、答えのない謎めいたものが溢れている。

なんで太陽と月がおんなじ大きさに見える距離感にあるのか。
なんでアフリカの現地語と日本語の発音が若干似ているのか。

そういうものは大概浮かんでは消える思考で、考えてもキリがないので見て見ぬ振り。そのうち忘れる。どうでもええもんな。

しかしながら私たちにとっての最大の謎で、無視できないものがある。


それは「自分」マイセルフ。

24時間365日、ずっと一緒。死ぬまで一緒。

「自分がかわいい」ってよく言ったもので、本当にそうだと思う。

自分の名前を呼ばれる時ほど敏感になるものはない!

自分に関わる情報があれば事細かく知りたい。だって自分だもの。一生付き合うかわいい自分のことだもの。

私たちは常に自分と向き合い、その謎めいた思考と生命を凝視させられている。

自分の潜在意識には一体どんな可能性が潜んでいるのか、自分には一体どんな未来が待っているのか知りたい?
「え、わたしってどういうタイプの人間」「わたしってどう見られてるの?」知りたい?

そういう好奇心はだいたい根本に「幸せになりたい」「目的を達成したい」などなどの願望がある。叶えたい?
知りたいという好奇心はそんな願望を助長させ、「大丈夫?誰か教えて?」
というさらなる願望に変わり、「知りたい?」「叶えたい?」と聞いてくるスピリチュアルは儲かるのだ。

アフリカのカメルーンという国には、呪術がある。
というと日本にはないみたいに聞こえる。日本にもあるかもしれないけど、なんというか、スピリチュアルでカルト的なこれが、カメルーンではしっかり商売として存在している。気がする。


呪術は怨念をエネルギーにして時に人を殺すという。
金や色恋沙汰で誰かを恨み、ましては相手の不幸を心底祈るまでになると呪術師のところへ行くのだという。なんじゃそりゃ。


「あいつに、痛い目見せてやって欲しいんだ」
正気の沙汰とは思えない表情で、彼は呪術師に懇願した。

すると呪術師はその冷たい目で蔑むように見下ろし、
不気味な微笑みを浮かべて言う。

「この粉を、恨んでいる相手の家の前に撒くんだ。
その粉を跨いだやつには不幸が訪れるから。」

殺したいんだろう?


・・・え〜うさんくさ!絶対うそやん。と思うそこのあなた、わたしもそう思います。そんなん信じて金払うのアホです。ましてや金に悩んで呪術師に相談して料金払うのなんかアホすぎてもう一周回って天才?

まあでも読むのやめないでください。これは願望です。が、スピリチュアルには頼りません。
タイトルは「スピリチュアルはきらいだ。」つまりあなたと同意見の上で、この文章を書いていますから。はい、決してあなたに不快な思いをさせる文章ではないことをお約束いたす。個人差あり。

ある日、カメルーンのぼろいタクシーで同僚と相乗りしている時に、ラジオがかかっていましてね。
助手席に二人が尻を半分ずつ乗せて座り(しっかり想像してね?)、わたしは後方席に他の三人と尻をどのくらい多く席に収められるか競い合いながら座っていた。ぎゅうぎゅう過ぎてものすごい気分が悪かったかというとそうでもなかったのだけど(慣れてた)、とにかくラジオが大音量でうるさくて気分が悪かったことは覚えている。

電波が悪いのかザザ〜っというノイズとともに届けられたズンドコ系のアフリカンミュージック(大音量)が終わり、散々宗教音楽が長々と流れ(大音量)、突然そのCMが始まった。
「魂の解決、それこそが真の解決方法なのです。妖術によって苦しまれている皆さん、ここにお電話を。その不幸から逃れる道を一緒に探りましょう」
恐ろしい茨の森の闇の中、コウモリかカラスが舞っているようなサウンドがBGMに流れ、女性のすすり泣く声までそこに混ざりこむ(大音量)。・・・うるせえ。

《魂の解決》――Solution sprituelle
なんじゃそりゃ。

はい、これはきっと呪術の類で「どなたかに呪いをかけられて」不幸になった皆さんをケアしますという逆呪術(造語)のことですネ。
儲けとるな。ほんまにこすいとおもう。呪術あっての逆呪術ってもうビジネス戦略やん。二人三脚やん。悪徳やん。だからきらいやねん、スピリチュアル。


なんでこのタイトルにしたのかというと、きっかけは友達(先輩)です。

スピリチュアルと思われるの、いやなんよなあ。
という言葉がなんかその方から発せられるともうその場の空気に花びらが舞うように優しくて柔らかくてね、「そうですよねえ、うん、あなたがいやなことは絶対しませんよ(照)」
っていうデレモードになってしまうくらいに良かったんですよね。印象的だったんですよね。

彼女は、柔らかい言葉、優しい相槌、ストーリーに耳を傾けてくれて、悩みや今後の不安をしっかり聞いて、未来を統計学的に分析してくれるんですね。
彼女はタロットを使うのだけど、「これは占いとかスピリチュアルと思って欲しくない。統計学です。」としっかりその理由も説明してくれました。
カメルーンの呪術・逆呪術とは天と地の差でございます。いやそもそも比べることすらおこがましい。

心理学と統計学を駆使した彼女に話を聞いてもらっている時間の安心感や如何に。素晴らしいんです。
タロット?謎の白い粉?・・・使うものは関係ない。必要なのは学問です。論理的な根拠です。ください。それをください!

もはや彼女のストーリーを上記の呪術と並べて書くことが申し訳ない。書いていて恥ずかしい。ごめんなさい。畏れ多い。でも書きたいから書きました。

人間、生きてたら悩みは尽きません。でも、話を聞いてもらうことで楽になることってたくさんある。
それがさらにロジカルで分析をしっかりしてくれるカウンセリングのような(でも友達なのでフランクな)時間は、本当に居心地が良かった。

ぴょんちゃんは、そのまんま現状維持でいいんちゃうかな?あ、ここら辺には気をつけてね。

という、わたしが書いたところで他愛もなく見えるアドバイスが、分析によって裏付けされているわけです。だから心底頷けました。
結論、わたしはまあこのまんまでええんや、ということがわかった。自分を知るって大切。うん、スピリチュアルはきらいだ。

まあ何が言いたいかというと、友達に相談させてもらえるというのは、ありがたいことだな。
安心は正義だ。

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