Smeh liya Morocco - スマヒリヤ・モロッコ

モロッコ駐在生活のことを中心に、色んなことを書いてます。

「好き」が「才能」になるのはマジだ。

早いような遅いような時間の経過感覚の中で、新しいことを学びながら問いを並べ続ける。
自分史上最高の好奇心アンテナをはって、自分にとって学びになって楽しいアクティビティを数ある選択肢から厳選する。

ランニングもヨガもサルサダンスもスペイン語も全部習いたいし学校に通いたいけれど、こんな限られた時間の中で、毎日レクチャーと課題をこなしながら片手間にするには多すぎるから、選ばざるを得ない。

私は授業を最優先にするとして、他に3つのことを頑張ろうと決めた。
そんな3つのことを書きながら、国連平和大学の学生の多様性と寛大なハートについて語ってみたいと思う。

温室菜園

もともと監督は大学の教授なのだけれど、現在メインで管理をしてくれているのは生物学者の学生ユータン(Yutan)。
一緒に苗植えをした後はひたすら地味な水やりと雑草抜きと土ならしの繰り返しだから、あんまり人も来ない。
私は土を触ることに癒しを感じるので、その学生にくっついて二日に一回雑草を抜きに行く。

彼女はインド出身で、そこにも同じような雑草があるが薬として使われることや、一緒に植えていい野菜とダメな野菜のことや、苗の周りの土をどの程度固めてあげると良いかなどを教えてくれた。なんだかんだ話しながら手を土に突っ込んで、爪の中まで真っ黒にして作業をしていると、授業中にモヤモヤしていた西洋に偏りがちなディスカッションの雰囲気とか、自分自身が思うように発言できない憤りとかがすごく楽になっていくのを感じた。そんな開放感を味わっていると彼女は言った。

「畑作業が、私にとってのセラピーなんだよね」
いやあ、私もそう思っててん。

何度か二人で(時々他の人も来てくれて楽しくおしゃべりしながら作業する)菜園に行ったり来たりしているうちに、彼女が、「ここの野菜を売って、もう一つ新しくガーデンを作りたいな」と言った。おお、それはいい。有機野菜だし。Peace Veggieとかかわいいロゴ作ってあげたらめっちゃ売れそうやん。なんて想像が膨らむ。

植物のネームタグ作りたいなってアイデアも、神戸のいちばたけから得た。お絵描き大好きな私にうってつけ。他の人も巻き込みたいなあ。

これからできそうなことをブレインストームがてらチャットで話しながら、月曜日がもう楽しみなのである。


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難民、移民、児童施設

少し前に嵐のように花びら舞い散らせて(雰囲気)やってきたモデルのような綺麗な女の子、アズィザ(Aziza)が、「難民支援の団体を運営しているんだけど、今度学生巻き込んでビデオ作品を撮りたいの!手伝ってくれない?」とやってきた。おお、なんとまあお美しい。

クリエイティブだし英語堪能で国際法専攻でインスタ見せてもらったら実際モデルしてるしフォロワーは一万人近いし、一体何者なんだすげえな、と尻込みしている私に構わず、超フレンドリーな彼女。
ビデオ作品の手伝いをちょこっとしたり、編集のアイデアをちょっぴり提案したりしたのをきっかけに話をしていると、考えていることが結構似ていたり、何かしら情熱を持って動いている部分は全く同じなことに気づいた。それから毎日いろんな話をするようになっていった。出会ってまだたった二週間くらいなのに、なんだかもう一年くらい知り合いなんじゃないかってくらい落ち着く存在。

今週末、コスタリカの首都にある移民のコミュニティ・難民の児童施設に行けることになったよ、と木曜日に連絡が来て、急遽子ども向けアクティビティを準備することに。ちゃっちゃと課題を終えなければとクソ真面目に家にこもっていた甲斐が実って、なんとか金曜日に3000語(A4 12ページ分ぐらい )のエッセーを書き終え、色鉛筆や画用紙やキャンディーを買いに走って、彼女の家でひたすら打ち合わせ。あれこれアイデアが飛び出るのは、本当の本当にカメルーンで環境教育の活動をしたおかげ。子ども向けのアクティビティを数知れず行い、衛生活動や環境につながるような参加型授業も自信を持って提案できる。

彼女に、You have many talents!!!!と言ってもらった時、「ああ、好きは才能に変わる。変えられるんだなあ。」なんてちょっとだけ自惚れたよ。ちょっとくらいいいよね。

一週間お疲れパーティーも好きだけど、こんな充実した花金もめっちゃ良いなあなんて思って帰路についた。私も昨日はちょっと花びら舞い散らしていたかも。

翌日は無事にアクティビティを終了!初めてにしては上的。弾丸で集まった自由人学生12人!すごく素敵なメンバーだった。泣いた子を抱いておだてる担当やカメラマンやスペイン語でアクティビティの司会をする学生などに分かれて素晴らしいチームプレイだったと思う!国連平和大学生バンザイです。

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ニカラグアの移民コミュニティの街並み


スペイン語がんばります宣言

上記のアクティビティをして思ったのは、やはり言語の問題。

グループで活動するのでスペイン語圏の学生に頼ればコミュニケーションはできるけど、やっぱり企画運営する人間が直接声を伝えられる方が説得力は強いよなあと思った。そういう意味でマレーシア人のアズィザの言語レベルには驚かされる。難民施設のマダムとほとんど何の問題もなくコミュニケーションを取り、日程や人数の調整も全てスペイン語で行って、「またぜひ一緒に何か活動しましょう!」という話に展開するところまで到達するのだから。

スペイン語をやろうやろうと言いながら怠けていた私。毎日話しているだけでは何も上達しません。文法の勉強と動詞活用の暗記は自分との戦い。言語を習得するのにどうしても避けられない壁。だから、やろうね?(自分に言い聞かせる)

私の隣人ホセ(José)はめっちゃ優しいグアテマラ出身の兄貴である。彼にお願いして毎日スペイン語で無理やり話しかけてもらうことにしている。
「これってスペイン語でなんていうのー?」「〇〇って英語でどういう意味ー?」なんてのを子どものように繰り返しながらヘッタクソなスペイン語で答える私を、ニコニコ見守りながら耳を傾けてくれるので、こちらも頑張ろうと思えるのである。

でも毎日毎日同じ単語を言ってもらってると、覚えるんですねこれが。他のスペイン人の学生にちょっと話してみたら、「めっちゃ上達してるやん!」と言ってもらえたので調子乗ってる。笑

楽しく会話しながら耳鳴らしをして、ホセや大家さんもっと話したい〜というモチベーションが文法と動詞活用(特に過去形)の勉強にもうすぐ至りそうなので、帰国までにB1(中級)レベルに到達できるようにがんばりたいと思います(宣言)。言ったからには実現あるのみ。

自分ができること、友達ができること

「一緒に創る」「共存する」などの概念をアテネオ大学で学んだ後、何かをグループで成し遂げる難しさと楽しさを国連大学で実感しながら思ったことがある。それぞれが必ず、それぞれにしかできないことを持っている。それがTalent。経験や特技や想像力からやってくるそれは、時にコミュニティで大きな貢献をする。

私なんて・・・そう思っていた。例えば、絵が好きでも絵が上手い人は世界にゴロゴロいる。だから私は「絵をかけます!」と堂々と手を挙げられなかった。でも、私の絵は、世界で私しか描けない。好きならば、一度友達にささやいてみたらいい。

ね、私こういう絵が好きで、前にもエコバックのデザインを手掛けたんだけど、野菜を売るときのロゴとか作ってみたいなあ。

そんな感じで。じゃあ、「え、めっちゃいいやん、やろうや」って言ってくれたりする。

歌が上手い人なんて世界に溢れている。でも、私の声は私しか出せない。それならば、親しくなった友達と歌えば、それは世界のここでしか聞けない音楽になる。Talentはどこかしこにある。いくつあってもいい。

国連大学に通う学生は皆賢く、寛大で、才能がある。みんな好きなことをたくさん持っていて、周りがそれを思い切り声に出して褒めて、受け入れる雰囲気があるからこそ実っていくものが「才能」なんだと思う。

好きが才能になるのは、マジだったよ。

好きが「種」なら、太陽と水は、みんなの”いいね”とコスタリカの自由で優しいこの雰囲気だ。

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